vanityを陥落せよ
121218
yuuは苛立っていた。
23時、仕事を終えるとyuuは六本木へ向かった。
ソロでvanityへ挑むのだ。
制限時間は24:00-25:30までの1.5時間。
最低でも1人の高スペとナンバー・クローズをする。
エントランスをくぐり、仰々しいあの受付で支払いをすませる。
中にはほとんど女性はいなかった。
が、良い出会いがあった。
女性が入ってくるまでの暇つぶしでも。
yuuは男性のグループに話しかけた。
その男性のグループは、某有名ナンパブログを執筆している方のグループだった。
ブログで募った人びとと、合流しているところだった。
会話に交ぜてもらう。その方からは自身がみなぎっていた。
合流していた他の方々は、そのナンパブロガーから学ぼうと来ていた。
yuuも教わりたかった。
が、今日のyuuに残された時間は少ない。
それに、そのブロガーの方は、ナンパを教えるつもりで合流したわけではなく、みんなで楽しむことを目的に合流を呼びかけたようであった。
このブロガーの方に教えを請うためにも、yuuは差別化を図ることを決めた。
そのブロガーの方も含めて、このグループの誰よりも先にナンバー・クローズするのだ。
そして、俺に興味をもってもらい、次回にじっくりと教えを請う。
25時も近くなり、女性がちらほら入場し始める。
「そろそろ始めましょうか。」
各自、店内に散らばる。まだ様子を見ているようで、アプローチの気配はない。
ここでターゲットが来れば、機会が成立する。
時が来た。
8&8の2人組。
高スペセット。
声を張る。
「こんばんわ。2人で来たの?」
友達の相談オープナーにつなげる。
ただ、声が通らない。
yuuは作戦を切り替えた。
2人のうち、主導権を握っている方にターゲットを絞った。
かのじょの横に移動。
圧迫感を与えないように、横から耳に顔を近づけて話す。
あとはルーティーン。
ここまで来たyuuに、何も障害はなかった。
偽りの時間制限。
「そろそろ友達が来るから行かなきゃ。次回はどうやって君に連絡を取ればいいかな?」
ナンバー・クローズ。
24才の美容師だった。
合流していた方々にあいさつをして退店。
翌朝、そのブロガーの方から「今度コンビでやりましょう!」と連絡をいただいた。
ありがたき幸せ。