25才幼稚園の先生とアポ
20時、仕事を切り上げて退社。
待ち合わせ場所へ。
かのじょは化粧をばっちり決めて、museで会ったときよりも大人びて見えた。
店まで移動。
いつもなら、ここで手を握る。
今日のyuuは握らなかった。
そういう気分にならなかったのだ。
入店後、会話。
前回の復習から。お互いが相手のことをどれだけ覚えているかゲーム形式で確認し合う。
かのじょは、結構yuuのことを結構覚えてくれていた。
その後は恋愛遍歴を聞きながら、相手の理想の男性像を引き出すいつもの流れ。
なんだろう。
いつもなら、このときのyuuの頭は、一番上のギアで走っている。
その中で、自分の経験から、相手の理想=ニーズに適ったストーリーを紡ぐ。
そして、相手に価値を提示する。
今回は違った。
ギアが上がらない。
刺激がなかった。
yuuは、世界が狭い女性に対しては魅力を感じない。
その人の世界の広さを端的に表すのは、その人の語彙である。
古代ギリシアのアリストテレスは、「人間は政治的な動物である」と言ってのけた。
人間は言葉を介して世界を経験し、自らの世界を創造・拡張し、他者にその世界を開示する。
言葉がその人を規定する。
退屈だった。
早々と店を後にする。
「お前の目的は何だ?即だろ?目標にコミットしろよ。」
いくつかのアレックスの言葉が、不意に脳裏をよぎった。
つまらないからといって、全力を出さないのか。
次につながる学びを得られないのであれば、それはただの金と時間の浪費だ。
PUAの矜持を持て。
そもそも、yuuはまだかのじょをものにしていない。
yuuは、一方的に彼女をつまらないと思っている。
それは彼女も同様ではないか。
同様ではなかったとしても、つまらない女性を魅了できずに、どうやって魅力的な女性をものにできるというのか。
yuuは奮い立った。
「そういえば、とっておきのシャンパンを出してくれる店があるんだ。
2件目を打診。
2件目へ。
yuuは攻めたいと思った。
かのじょの一番興味がある領域で、俺の価値を提示しようとおもった。
一番強力な領域である。
かのじょは、本当に無趣味だった。
かのじょの関心を引かない物事の中でも、少しく強力にかのじょの感受性を惹起したものは、映画だった。
かのじょは学生時代、TSUTAYAでバイトしていた。
終わった。
yuuは、映画をほとんど見ない。
本については、他の人が5光年進むうちにも読めないほど多く、深く読んできた。
が、映画については、まったくだ。
マトリックスしか覚えていない。
次の策を。
具体的な興味関心から一段降りて、かのじょの気質を形成する何かをつかもうとした。
かのじょは負けず嫌いだった。
弟に喧嘩に負けたくない、その思いから合気道も始めていた。
ダーツの話しへ。
ダーツで勝負して、負けた方がアルコール摂取から、負けたら俺の家に行こうor自然に家打診の流れを構想した。
が、もう遅かった。
時間は終電5分前であった。
それを引き止められるほどに、おれは彼女を魅了できていなかった。
惨敗だった。
帰宅。
そこに元カノから連絡が。
「泊まりにいっていい?」
また元カノとセクしてしまった。
==========
学び
- 相手をつまらないと切って捨てるほどに、yuuは興味深い人間ではない。短時間で相手を魅了できる程の魅力がない。自分がつまらないと思う程度の女性は無造作に落とせるほどに、自分を磨け。
- ただ、次の命題の真偽は不明。「yuuがつまらないと思った女性を落とせないのであれば、yuuは魅力的だと思った女性も落とせない。」経験的に、この命題は真ではない。魅力的な女性を魅了するスキルは、魅力的ではない女性を魅了するスキルとは違うのかもしれない。