深夜3時の六本木でスト―即に届くか―121229
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レビトロと別れてvanityを後にしたyuuは、まだタクシーに乗らなかった。
ソロでストを決行する。連れ出せるまで帰らない。
ただ、ターゲットが見当たらない。
時間が時間である。この時間はみんな店にいるのだろう。
状況は不利だった。
西麻布の交差点に向かって歩いてみる。
やはりターゲットはいない。
ひとつ発見があった。
この時間はタクシーが捕まらないようだ。
この時間であっても始発を待たずに帰る人はいるようで、タクシー乗り場には30m程の列ができていた。
これを使わない手はない。
タクシーを捕まえようとしており、かつ1人でいる女性にターゲットを絞る。
かのじょは西麻布の交差点にいた。
戦闘力7。
yuu「タクシーを待っているところですか?」
かのじょ「はい。でも、全然捕まらなくて。」
yuu「寒いし、しんどいですよね。実は俺をもタクシーを探してて。」
かのじょ「そうなの。本当につかまらない。」
yuu「忘年会の帰りですか?」
うなずくかのじょ。「みんなまだいるんだけど、疲れたから抜けてきちゃった。」
yuu「本当に?俺もなんです。こんなタクシー捕まらないと思わなかったし、寒いから若干後悔してる。」
たわいもない会話。
一度ここで仕掛けてみることにした。
「まだ少し元気残ってる?」
かのじょ「う〜ん。」
yuu「だよね。寒いから、少しどこかに入ってタクシー待とうかと思ったんだけど。
そうだ、ただ待っててもつまらないし、せっかく会って話せたんだから、ひとつ面白いゲームしよう。実は、大学院で少し心理学をかじって、その知識を使ったゲームなんだ。これで、お姉さんのざっくりとした性格も分かるんだよ。」
載ってくるかのじょ。
いつもどおり5回の嘘ゲームを展開。
フック。
かのじょの負けが確定すると同時にボディタッチがくる。
IOI。
かのじょからの質問がいくつか続く。
IOI2つ目。
かのじょ「どっか入る?」
3つ目のIOI。
「じゃあ六本木まで行こう?疲れたら、おんぶしてあげる。それまで手を温めて。」
手を握る。
握り返してくれるかのじょ。
かのじょは人材会社に勤める26才。yuuと同い年だった。
鼻が高くて、ハーフにも見えるが、日本人であった。
(以下、かのじょを熊田クリステルと呼ぶ。)
会話をしながら、yuuは戦略を練った。
まずは個室がある場所を確保する。そこで色をつかい、即を狙う。
個室がなければ、和んだあとに軽く色を仕掛け、準即案件とする。
前者はダメだった。個室居酒屋は既にラストオーダーが終わっているか、満室であった。
カラオケは始発まで満室であった。
準則狙いにシフト。
HUBへ。
価値観を引き出す。
これまで付き合った男性は3人。前の彼氏とは3ヶ月前に別れる。
yuu「どうして別れちゃったの?」
熊田クリステル「ぜんぜん私の話を聞いてくれなくて。yuuみたいにじっくり話を聞いてくれる人ならよかった。yuuはどんな人が好きなの?」
yuu「知的で、思いやりがあって、自由な心をもっている子に魅力を感じる。君みたいに。」
くさいセリフを飛ばすyuu。
ちゃらい〜とかいいながら腕を叩いてくるクリステル。
クリステルにはクラブきっかけのワンナイトスタンド経験あり。これ重要。
即系の気配を感じた。
が、ギラつく場所がない。
トークのみで家に連れ込む術をyuuはもっていなかった。
時計はあっという間に5時を指していた。
HUBを出て、駅の改札へ。
「また会えるといいね。そういえば、連絡先を聞いていなかった。どうやって連絡すればいかな?」
クリステルは電話番号を教えてくれた。
即、あるいは準即につなげるためにも、ここで少しでもギラつく必要があった。
だが、うまいフェイズシフトを思いつかない。
yuuは多少なりとも強引にいくことにした。
「クリステル、顔を上げてこっちを見て。」
かのじょを抱き寄せ、そのままキス。
ノーグダ。
濃い色じかけはできなかった。
家打診をしてみる。
「う〜んどうしよう。yuuの駅から私の駅遠いし。」
頭が回らない。解放トークが出てこない。
粘らずに、再度キスして放流。
どっと疲れが押し寄せてきた。
yuuは、心地よい眠りに落ちた。
10駅ほど乗り過ごして目が覚めた。
駅で別れたあと、クリステルは俺に電話をくれていた。
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学び
・解放トークの練習をつんで、ルーティーン化する必要がある。
・IOIが多数確認できているときは、キスクローズの段取りはいらない。強引にいける。